契約書の品質、均質化に課題。形式面でのチェックに十分な時間が割けないことも

ーー法務組織の概要と皆様の役割について教えていただけますか。
遠藤様:法務知的財産本部の中にある法務部は47名で構成されています。その中で担当業務に応じて3つの部に分かれていて、さらにその中に課が設けられています。主な業務は、契約審査や法律相談、紛争解決、訴訟対応などです。私はそれらの実務を担当しております。
金森様:遠藤と同様に、私も、その中で契約書の作成やレビュー、法務相談などを主に担当しています。
西村様:私は、企画系の業務を中心に法務全般に関与していますが、法務部でのシステム導入も担当しており、BoostDraftの導入推進も担当しています。
ーーBoostDraftを導入する以前に抱えていた課題を教えてください。
遠藤様:弊社では、契約書のレビュー件数が年間約3,000件にものぼります。取り扱っている契約書は日文だけでなく英文も含まれており、それらを通常、Word上でレビューしていました。表記ゆれや誤字等の確認は、基本、目視で確認していました。契約書レビューの時間に占める形式審査の時間はわずかかもしれませんが、その積み重ねが大きな時間を占めていました。
また、契約文書の形式面に関しては、経験を積んだ担当者でもミスが発生しており、私個人としてはこのミスを減らせないかと課題を感じていました。
金森様:担当者は一人一人責任感を持って契約書を作成しています。クオリティが高い仕事をしたいと思っていても、表記ゆれといった形式面については、正直、納期の兼ね合いで焦ってチェックすることもあります。
約30%の削減効果を発揮。全社方針の「生産性向上」に寄与

ーーBoostDraftを導入した背景を教えてください。
西村様:全社として生産性向上が求められている中で、法務部としてもAI・リーガルテック導入のためにプロジェクトを結成し、検討を進めていました。その中で、他部署からBoostDraftを紹介いただいたのが導入を検討するきっかけでした。BoostDraftは、これまで当たり前の作業だと思っていた契約書レビューの形式チェックに特化しており、これらの作業を特化したツールで効率化することは考えていなかったので斬新なツールの登場に驚いたことを覚えています。実務担当者であれば「すぐに効果が出る」と確信できるもので、ミス防止にも直結すると感じました。
金森様:契約書の形式に関わるチェック作業は、法務に携わっていれば誰もが日常的に行います。BoostDraftでこれらの作業を削減できる可能性を知ったときには大きな驚きがありましたし、具体的に解決できることのイメージも持ちやすかったです。
遠藤様:私個人としても、法務に携わる者として形式の重要性は人一倍認識しており、形式に関する意識を強く持っていました。ですので、最初に案内を受けた時からBoostDraftが役立ちそうだという直感がありました。
西村様:元々の業務のやり方には十分慣れていましたが、価格面でも費用対効果が出そうだと期待ができ、検討開始から約3ヶ月後に導入を決めました。
ーー本格導入にあたり、稟議や社内展開はどのように進めましたか?
西村様:先程のプロジェクトの中でも色々なAIやツールを検討したのですが、弊社の実務で使えるレベルのものはなかなか見つからなかったのです。一方で、BoostDraftは「実務にすぐ役立つ」と思えたので、導入に向けてすぐに動きたいと考えました。まず、弊社の業務でもフィットするかどうかを見極めるために、トライアルを実施することにしました。そこで、法務部内で参加者を募ったところ、私の想定よりも多くの方が参加を希望し、関心の高さを感じました。
参加者に対してアンケートを実施したところ、「それまで確認に約30分かかっていたと仮定して、何分ほど確認時間を削減できたか」という質問に対し、平均で9分削減、つまり30%を削減できたという回答結果になり、効果があることがわかりました。「30%の削減」を年間約3,000件にも及ぶレビュー件数で考えたら、インパクトは非常に大きいと感じましたね。トライアルの結果を踏まえて、上司に導入を提案したところ、法務部全員が利用することが決まりました。
遠藤様:大人数に導入することになるので、インストールがスムーズに進むか、使い方に慣れるのに時間がかかってしまうのではないか、ということを心配していました。実際、導入の際に、社内のネットワーク設定の関係でうまくインストールできない、という事象もあったのですが、BoostDraftのエンジニアの方から解決策を提案いただき無事解決できました。また、BoostDraftさんに複数回説明会を開いていただき、スムーズに使い方に慣れることができました。手厚いサポートをいただき、感謝しております。
効率化と品質向上を実現

ーーBoostDraft導入後に実感した効果を教えてください
遠藤様:長文や英文の契約書を検討するときに効果を実感しています。スムーズに読み進めることができるようになりましたし、さらに形式面のチェックもかなり楽になったと感じています。
金森様:感覚的には1回の確認につき5分から10分ほどの削減になっていると感じています。形式面の確認にかかる時間を減らすことができた結果、より重要なポイントにかけられる時間が増え、契約書の品質を向上することができているのではないかと思います。
ーーBoostDraftでよく使う機能を教えてください。
遠藤様:定義語の参照をポップアップで表示する機能は重宝しています。とくに長文の契約書では、これまで定義語の参照元を探すのに文書を何度も上下に往復する必要がありました。BoostDraftを使えば、定義語を直接クリックすればその場で確認できるので、参照元を探す手間がなくなりました。
また、これまで目視確認をしていた「及び/および」といった漢字とひらがなの表記ゆれなども見落としやすいため、BoostDraftが指摘してくれることでミス防止につながっています。成果物が一定品質で出せるので安心できます。
金森様:変更履歴の編集者名を統一できる機能も、日頃よく活用しています。複数人が契約書を編集したとき、複数人の変更履歴が残ってしまうため、取引先に展開するファイルを用意する際に統一することがあります。それには煩雑な手順が必要だったのですが、BoostDraftを使えばその手順を省いて、簡単に編集者名を統一できるのがありがたいです。
遠藤様:その機能は、外部の法律事務所も含めて契約書の検討を行うM&A案件でもかなり活用できました。それと、パスワードの自動入力機能も使っていますね。一度入力したパスワードはBoostDraftが覚えているので、パスワード付きのファイルを開くときの煩わしさもありません。いまではほとんど無意識に使っているので、機能があることすら忘れてしまっておりました。
ーーBoostDraftを導入してから、社内でなにか反響はありましたか?
西村様:全社的にツールを活用する機運が高まっているなか、法務部が先行してBoostDraftや他のツールを導入していることもあってか、間接部門のなかでも「新しいツール導入に積極的な部門」として注目されました。他部署からツール導入に関する相談を受けるケースもありました。
BoostDraftも導入から1年ぐらいは検証期間ではありましたが、実際に使ってみてノウハウを共有し合い、生産性をより高めるよう取り組んでいます。
法務部で活用拡大、そして法務部以外での活用も視野に

ーー最後に、BoostDraftを今後どのように活用していきたいかをお伺いさせてください。
遠藤様:法務部内でもまだBoostDraftの機能をフルに使いこなせているわけではないので、今後は法務部全体で活用の機会を掘り起こしていきたいです。人によって使う場面や利用する機能も異なっておりますので、もっと幅広く活用できる余地があると感じています。
金森様:そうですね。BoostDraftのおかげで、これまで当たり前だと思っていた作業を削減できました。ただ、BoostDraftで削減できる業務はまだまだあると思うので、活用の仕方を試行錯誤していきたいです。
西村様:弊社はツール導入には積極的な一方、導入後に効果が出ないものは解約することがありますが、BoostDraftは確実な効果がでているので、これからも継続活用していきたいです。将来的には、法務部以外でもBoostDraftを活用できるのではないかと考えています。