ルーティン業務を効率化し、若手社員をスペシャリストに育成するために

ーー法務部の概要と、ご担当の役割について教えていただけますか。
森本様:契約書審査や法律相談、法改正周知などの予防法務に加え、親会社であるホールディングスの株主総会事務局、取締役会事務局といった機関法務を行っています。また、債権保全や紛争解決、裁判などの臨床法務、通関・輸出管理、会社合併等の組織再編業務、さらにIRやSRの対応まで、多岐に渡る業務を担当しています。
2025年3月に法務部独自のビジョン・ミッション・バリューを策定したのですが、現在は「オリジナリティで世界をリードする次世代型法務チーム」を目指しています。特に「当事者意識をもって、現場を理解し期待の一歩先にある価値ある実践を行う」パートナー機能と、「現場の描くビジネスの将来を見据え、リスクをコントロールし企業価値の毀損を最小化する」ガーディアン機能の両立ができる組織にしたいと考えています。
合計10名の組織規模で、私は管理職の1人としてメンバーが効率的に業務を進められるようマネジメントや育成業務を行いながら、法務業務やグループ会社に対する法務サポートも対応しています。DXにも注力していますので、業務で使用するシステムの選定・導入なども担当しています。
ーー契約書のレビューの対応状況についてもお伺いできますか。
森本様:当社では、秘密保持契約書や取引基本契約書をはじめ、共同開発契約書、共同出願契約書、ライセンス契約書、工事下請契約書など、技術関連、商品取引関連を中心としたメーカーならでは契約書を含め、さまざまな契約書を取り扱っています。
レビューの実務は、総合職4名を中心に、課長職も合わせて7名で対応しており、件数は1人あたり月20〜50件程です。部署ごとの担当制や案件アサインは行わずに、依頼者が法務部員に直接依頼するような体制をとっています。ただ、契約書レビュー業務は法務の基本という考えもあるので、若手社員のほうが実務としての割合は多くなっています。
ーーそれでは、BoostDraftを導入する以前はどのような課題をお持ちだったのでしょうか。
森本様:近年のコンプライアンス意識の高まりもあって法務部に依頼される契約案件が年々増加している一方、法務人員を増やすことは難しい状況だったため、ルーティン業務を効率化したいと考えていました。
というのも、基本的に契約書レビューの作業は目視と手作業で行っていたため、秘密保持契約書のような定型で分量の少ない契約書ならまだしも、取引基本契約書のように分量の多い契約書や非定型の契約書になると、レビューや修正に半日から1日程度かかっていました。
また、当社は法学部やロースクール出身の法律知識を持つ新卒採用をしており、法務のスペシャリストになるべく育成に力を入れています。しかし、新卒や若手社員は契約書の形式を整える作業や修正に追われてしまうことが多く、内容理解や専門性の習得に十分な時間を割けておりませんでした。
さらに、内容は適切にチェックできているものの形式が整っておらず、品質が良いとは言えない契約書を上長がWチェックする場面も多かったです。その確認にも時間と手間を取られており、形式的なミスが若手と上長の双方の負担となっていたのです。案件量が増えているなかで、Wチェックでなんとかやるのも限界を感じていました。
IR関連の書類を例に、内容だけでなく、形式にミスがあれば会社に対する印象・信頼にも影響するため指導はするのですが、もっと本質的な業務に注力できたらと悩んでおりました。
法務としてありたい理想像に向けてBoostDraftを導入
ーーそのような中、BoostDraftはどのようなきっかけで検討を始めたのでしょうか。
森本様:登録していたメールマガジンでBoostDraftの存在を知りました。当時はリーガル領域で「AI契約書レビュー」が話題になっていた頃でしたが、BoostDraftはAIによる契約内容レビューは行わず、契約書の形式的作業の効率化に特化している点が非常に印象的だったのを覚えています。「法務人材としてAIに譲ってはいけないことがある」というお話をBoostDraftがされていたのに共感し、それをきっかけに検討をしてみようと思いました。
ーー導入検討を進めるなかで、BoostDraftの決め手は何でしたか?
森本様:契約書レビューの形式作業を効率化できることはもちろんですが、BoostDraftはWordアドインで使えるので、これまでの業務フローを変える必要がないという点が大きな決め手でした。契約書レビューにWordは欠かせませんし、導入済みのシステムに影響なく併用できますからね。トライアルを試すなかでも、従来の業務フローで慣れ親しんだ方やITシステムが得意でない方であっても、BoostDraftを直感的に使うことができていたので、負担なく導入ができると思いました。
他にもいくつかのシステムと比較検討していましたが、形式作業の効率化に特化し、コストパフォーマンスも高い点で、「BoostDraftは痒いところに手が届く」と実感し導入をすぐに進めました。
ーー導入にあたってなにか障壁はありませんでしたか?
森本様:当社グループ全体としてペーパーレスを推進していたことに加えて、業務効率化には前向きな組織ですので大きな障壁はありませんでした。以前に別のシステムを導入したこともあったのですが、その時よりもBoostDraftはスムーズに導入が進められたように思います。
定量的な時間削減効果を算出するのは難しかったのですが、上申の際に「法務としてありたい理想像の実現にはBoostDraftが必要である」ことを丁寧に説明しました。他部門からすると、法務組織にシステム導入が必要な理由はわかりにくいこともあります。ですので、将来ありたい姿を具体的にすることで、上申がスムーズに進み導入を決めることができました。
効率化と若手育成の両面で効果を実感。海外取引の契約書レビューでも効率が向上
ーーBoostDraft導入によって課題は解決されましたか。
森本様:まず、法務全体で契約書レビューの形式を整える作業や確認が自動化し時間が削減できたため、契約書の内容理解や検討といった本質的な業務に時間を割けるようになりました。具体的には、1件30分以上かかっていた作業が今では数分で完了できるようになり、大きな効果だと感じています。
特に、当社では契約書を関係部署とWチェックすることも多く、そうなると複数人で修正を重ねるので「変更履歴」の整理も煩雑になってしまいがちでしたが、取引先に提出する前の作業として、BoostDraftで校閲者名の統一を瞬間的にできるようになりました。
それだけでなく、若手社員がレビューする時にも、BoostDraftで形式に関わる確認が一通りできるので、上長がWチェックする負担も減ったように思います。また、こうした形式や体裁に関する指導や修正指示は経験則のものが多かったため、納得感があるように上長から若手社員に説明するのにも一苦労していました。BoostDraftがエラーとして検知してくれれば、「BoostDraftが指摘している」と根拠として示せるので、上長が説明する際の精神的な負担が減っていますし、若手社員にとっても納得しやすいように思います。BoostDraftの指摘を軸とした議論に発展するので、そういう意味でBoostDraftは育成ツールとしても価値を発揮していると実感しています。
ーー普段の業務でよく利用している機能はありますか。
森本様:やはり便利なのは表記ゆれや条文の番号ずれを指摘・修正できる機能ですね。当社と先方とで形式が異なる契約書のドラフトを統合する時にもすぐに修正できますし、長文で条項数が多い契約書をレビューする際、途中の条文を削除したとしても自動で条文番号を修正できるので、手作業で修正する負担が大幅に減っています。
また、当社のようなメーカーは、技術・製品情報の保護が重要で、なかでも契約終了後も効力が残る「残存条項」のレビューは慎重に気を配る必要があります。そのため、BoostDraftを使えば残存条項のなかの条文番号にカーソルを当てれば、ポップアップで内容がすぐに確認できるのがありがたいですね。
ーー海外取引における契約書レビューでもBoostDraftをご利用いただいておりますが、使い勝手はいかがでしょうか。
森本様:英語と中国語の契約書を、合わせて毎月10 件以上レビューしている担当がおりますが、非常に好評です。海外取引では長文の契約書が多く、重要事項を把握しづらい上に、視覚的にも疲労しやすく注意が散漫になってしまいがちです。その点、BoostDraftを開けば自動で重要語句をハイライトするので、該当箇所が非常に見やすくレビューに集中できているようです。
英文ゆえに起こりやすいスペルミスや大文字・小文字の不一致もBoostDraftで検知・修正できますし、ページ数が多い契約書内の参照条文もポップアップで確認できるのは、レビュー効率を大きく向上してくれていると感じています。
ーー様々な場面でご利用いただいておりますが、使っているなかで「こんなこともできるのか」と思ったことはありますか?
森本様:BoostDraftが契約書ファイルのパスワードを覚えてくれる「パスワードマネージャー」の機能は本当に痒いところに手が届くなと思ったぐらい役立っていますね。パスワードをわざわざ個別に覚えたり、過去のメールから探し出したりする必要がなくなったので、今思えば一番助かっている機能かもしれないです。
また、文書比較に特化した「BoostDraft Compare」は、思いの外多くの若手社員から好評でした。当初、自分としては活用方法が思い浮かばなかったのですが、BoostDraft Compareを使えば2つの資料の差分が一目でわかるため、修正前後の2つの契約書を目視で見比べながら修正箇所を探さなくて済むようになったということで、実務を行う若手社員はよく使っているようです。
BoostDraftなら今後も長く使い続けられる。付加価値の高い業務に注力するために欠かせないツール
ーーBoostDraftのどのような点をおすすめしたいですか?
森本様:まずお伝えしたいのは、初めてBoostDraftを使ったときは本当に“感動”しました。「これはWordユーザー全員が使うべきではないか」と思ったほどです。
そのなかでも、やはり導入の決め手である、既存のワークフローを変えずに効率化が実現できる点はおすすめです。この先、多様なトレンドが生まれたとしても、法務が契約書レビューをWordで行うことは変わらないと思います。BoostDraftなら今後も長く使い続けられますし、法務の専門スキルが影響しない作業はどんどん効率化していけます。だからこそ、法務スキルを活かした付加価値の高い業務に注力するために欠かせないツールと言えます。
ーー最後に、今後どのようにBoostDraftを活用されていきたいかお伺いできますか。
森本様:BoostDraftを利用して一定効果は出ておりますが、まだすべての機能を使いこなせているわけではありません。そのため、社内のBoostDraftユーザーで集まって「自分はBoostDraftをこのように使っている」というユースケースを共有し合うような場を創出することで、更なる活用に繋げていきたいです。

