会社の信用に関わる法務業務を一人で担う時間的・心理的な重圧があった
ーーまず、貴社の事業概要と、法務の体制について教えてください。
樋口様:弊社は1998年設立の、医療機器・計測機器の輸入卸売会社です。皮膚の水分量や油分を測る計測機器、顔写真から「シミ」「シワ」などの解析をする機器など、研究やクリニックで使用される製品を取り扱っています。また、医療機器としてはレーザー治療機器や肝臓の硬さを測る機器など、診療科をまたいだ幅広い製品を扱っています。
主にドイツをはじめとするヨーロッパ各国やアメリカから輸入し、国内の病院や研究施設、化粧品会社の研究部門などに販売しています。拠点は東京、大阪、福岡にあり、社員数は約60名です。
私自身は総務部長として、バックオフィス全体を管掌しています。総務部メンバー4名で、法務やコンプライアンスだけでなく、総務、人事・労務、情報システムなど幅広い業務をカバーしており、私もマネジメントと実務を兼任している状況です。
法務業務に関しては、長らく私一人で担当していました。最近になって総務部から1名加わりましたが、お互いに他のバックオフィス業務と兼務です。実質的には1.5人どころか、1人にも満たないような体制でした。
ーーBoostDraftを導入する前は、どのような手順でリーガルチェックを行っていましたか?
樋口様:特別なツールは導入しておらず、基本的にはWordファイルを紙に印刷して、関連書籍などを見ながら目視でチェックすることが多かったですね。紙のページをめくりながら修正点があればペンで赤入れをし、それをWordに打ち直すという流れでした。
リーガルチェックの流れとしては、営業担当者から契約書を受け取って私が内容を確認した後、複雑な契約内容や判断に迷う場合は、必要に応じて顧問弁護士へ相談をしていました。その後、最終的に当社の代表取締役会長が承認し、契約を締結する相手方に戻すという流れです。基本的には営業担当が窓口になりますが、担当者の要望によっては、私が相手方と直接コミュニケーションすることもありました。
ーー貴社では、どういった種類の契約書がありますか?
樋口様:最も多いのは医療機関や研究機関との売買基本契約で、秘密保持契約(NDA)、業務委託契約が大半を占めています。また、頻度はそれほど高くありませんが、海外メーカーとの独占代理店契約もあります。国内の契約とは比にならないほどページ数が多く、しかも英文のため、レビューの業務負荷が非常に大きいものでした。
その他、契約書以外の法的文書としては、人事労務に関連する就業規則の改定なども私が対応しています。
ーーBoostDraftの導入以前は、リーガルチェックの業務においてどのような課題や悩みを感じていましたか?
樋口様:一番大変だったのは、海外メーカーと締結する英文契約書のチェックでしたね。英文契約書は通常、定義語が冒頭にまとめて記載されています。後方の条文を読んでいて定義語が出てくるたびに、その定義語の内容を把握するために1ページ目に戻って確認し、また読んでいたところを探して戻る......という作業が繰り返し発生していました。
英語がそれほど得意ではないこともあり、ページを往復しているうちに、どの条文を読んでいたのか見失ってしまうことも少なくありません。結局、ページを行ったり来たりするのがあまりに大変なため、定義部分だけを別で印刷して横に置き、それを見ながら契約書の本文をチェックする、といった工夫もしていました。
国内の契約書でも課題はありました。まず挙げられるのが、条文番号の参照ミスやズレなどに関してで、目視チェックだけでは見落とすリスクがどうしても高くなります。こうした形式的なミスを残したまま相手方に送ってしまうと、「この担当者はきちんと内容を確認していないのではないか」と、契約そのものに対する信頼まで損ねてしまうのではないかという不安がありました。
表記ゆれのような細かい点に関しては、契約内容の一言一句まで確認する余裕がなく、正直なところ対応しきれていませんでした。顧問弁護士に相談をした際には、内容面のコメントだけでなく、表記ゆれの修正が多く返ってくることもあり、申し訳なく思うこともありました。
相談相手として社外の顧問弁護士はいるものの、基本的にリーガルチェックを行うのは私だけ。ダブルチェックができない一人法務の環境そのものが、精神的なプレッシャーにもなっていました。
一人法務の負担を軽くする最適なサポート役としてBoostDraftを導入

ーーBoostDraftを知ったきっかけは何でしたか?
樋口様:法務担当者が集まるSlack上のコミュニティで、BoostDraftが話題になっていたのがきっかけです。「動作が軽くて使いやすい」という評判を耳にし、興味をもって問い合わせをしました。
ーー導入の決め手となったポイントを教えてください。
樋口様:デモ画面を見て、まず「表記ゆれが強調表示される機能が役立ちそうだ」と感じました。それまでは文言一つひとつの表記ゆれまで細かくチェックする余裕がなかったので、強く印象に残ったのを覚えています。
正直に言うと、デモを見せていただいた段階で「導入しよう」と決めていました。一人でリーガルチェックしている負担を軽くしてくれる「サポート役」として最適な存在になってくれそうだ、と感じられた点が決め手でしたね。私一人で契約書を見る一人法務の体制でしたので、中身のチェックは当然自分でやらなければなりませんが、表記ゆれや条文のズレといった形式面をBoostDraftにダブルチェックしサポートしてもらえるのは大きいと思いました。
決裁に際して、社長に「一人でリーガルチェックを行う負担を軽くしたい」と率直に伝えたところ、スムーズに承認を得られました。当時は類似のツールがあまりなかったこともあり、他社との比較検討はしていません。
英文契約書の確認時間が半減し、一段上の基準でリーガルチェックに臨める環境に
ーー具体的にどのような効果を実感されていますか?
樋口様:時間的な効果を最も感じるのは、英文契約書のチェックです。以前は、他の業務と並行しながら2日ほどかけていた分量の多い英文契約書のチェックが、現在は1日程度に短縮できるようになりました。契約書を印刷して定義語確認のためにページを往復したり、紙を横に置いたりする必要がなくなり、すべての作業がWord上で完結できるようになったことが大きく影響しています。
リーガルチェックを早く終えられるようになったため、その後の顧問弁護士への相談や相手方への返送スピードも向上しました。自分の作業が早くなるだけでなく、案件をよりスピーディーに進めることができるという点で、ビジネス上のアドバンテージにもつながっていると考えています。
ーー業務の質や、安心感の面ではどのような変化がありましたか?
樋口様:形式面のミスがほぼゼロになり、相手方からの信頼を損ねるリスクが大幅に減りました。「参照している条文がズレている」「表記が統一されていない」といった指摘を取引先から受けて手戻りが発生する、といったタイムロスもなくなり、業務の質が格段に向上したと感じています。
顧問弁護士とのやり取りでも変化を実感しています。以前は形式面の修正が返ってくることも多くありましたが、最近はそれがなくなり、より本質的な契約内容の相談に集中できるようになりました。
一人法務体制でダブルチェックができない中、BoostDraftは「もう一人の担当者」として形式面のチェックを肩代わりしてくれています。「ミスがあれば相手方の信頼を損なうかもしれない」という心理的プレッシャーが、段違いに軽くなりました。
活用している中でさまざまなメリットを感じたので、現在は就業規則の改定作業など、人事・労務関連の文書を確認する際にも使っています。法的な文書以外でも、インデントのズレなど体裁を整えてくれる存在として、業務にすっかり定着しています。
ーー特に活用されている機能を教えてください。
樋口様:一番よく使っているのは表記ゆれのチェック機能です。漢字とひらがなの混在(「又は」と「または」など)といった表記ゆれを自動で検知して波線で示してくれるため、表記ゆれが存在していることが一目で分かります。自分の中でのチェック基準が明確に持てるようになったので、BoostDraftを使っていないときでも、普段から表記の統一を意識するようになりました。
定義語の参照機能も役立っています。英文契約書は冒頭に定義語がまとまっていることが多いのですが、BoostDraftだとWord上で定義語にマウスカーソルを合わせるだけで、ポップアップで定義が確認できます。わざわざ1ページ目に戻る必要がなく、条文を読んでいるその場ですぐに確認できるようになったので、作業負担が大きく減りました。
最近では、編集者履歴の変更機能も重宝しています。もう一人リーガルチェック担当が加わったので、二人で同じWordファイルを編集すると、変更履歴にそれぞれの個人の名前が別々に表示されてしまいます。それらの担当者名を社名である「インテグラル」に統一して取引先に送付する際に、この機能を使っています。
あとは些細な点ですが、条文番号の参照チェックもよく使います。条文番号のズレを自動で検出できて、手作業では見落としがちなミスをBoostDraftがカバーしてくれる安心感がありますね。法令のポップアップ機能も、わざわざブラウザを立ち上げてWebサイトで検索する手間が省け、時間短縮につながっています。
BoostDraftはアウトプットがスピーディーかつ確実で、高い安心感があります。他のAIツールは文書をクラウド上にアップロードし、プロンプトを書いたり確認項目の指定をしたり……といくつかの手間が発生しますが、BoostDraftはいつも使っているWordのアドインツールなので、そのまますぐに使えるのが魅力ですね。
BoostDraftは、小規模法務チームの心強い味方

ーーこれまで約3年間ご利用いただいていますが、BoostDraftを使い続けている一番の理由は何でしょうか。
樋口様:BoostDraftは「唯一無二のツール」だと感じています。一番大きいのは、Wordのアドインとして普段のWord上でそのまま動作してくれる点です。いちいち別のツールにアップロードしたり、プロンプトを書いて結果を待ってそれをまた直して──といった余計な手間がありません。Word上でレビュー業務がシームレスに完結します。
そもそも、法的文書の表記の型やセオリーは基本的に決まっているものです。AIに毎回基準を読み込ませて判断させるよりも、決められたルールに従って自動的に処理してくれるBoostDraftのほうが、早くて確実で信頼感もあります。AIとは棲み分けすべきジャンルだと思っていますし、だからこそ安定して使い続けられるのが一番ありがたいですね。
これからもリーガルチェックの質とスピードを両立させることで、弁護士への相談や相手方へのレスポンスを迅速に行い、信頼感を醸成してビジネス上の優位性を守っていきたいです。
ーー同じような環境で法務業務に取り組んでいる方へ、BoostDraftをどのような点でおすすめできるか教えてください。
樋口様:一人や二人といった少人数で法務を担当している方にこそ、BoostDraftの導入を強くおすすめしたいです。
自分で書いたり修正したりした書類のミスに、自分で気づくのは実はなかなか難しいものです。だからこそ、客観的に形式ミスの指摘をしてもらえる環境は大きな安心感につながります。
形式面をチェックする「もう一人の担当者」としてBoostDraftを導入することで、人員を増やすコストをかけずに体制を強化できます。特に、ダブルチェックができずにプレッシャーを抱えている一人法務の方こそ、BoostDraftに頼ることで、実質的な業務負担だけでなく、心理的な負担も大きく軽減できるはずです。