導入事例インタビュー

小売企業様

増え続ける契約書レビューに、少人数法務はどう向き合うか。

形式作業から解放され判断に集中できる体制へ

全国に店舗を展開する小売企業である同社では、事業成長に伴い多い月では90件近い契約書のレビューが発生していました。法務部門は4名体制で、契約書レビューを含む各種法務相談、社内規程の整備、法務研修まで幅広い業務を担っています。


限られた人数で常に業務が逼迫している状況で、特に負担となっていたのが、契約書レビューそのものの判断ではない形式的な作業でした。一つひとつは小さくても、積み重なることで集中力を削り、心理的なストレスにもつながっていました。

BoostDraft導入後は、条文の参照機能、条番号の自動修正、書式の一括修正といった機能により、形式面の作業負荷が大きく軽減され、時間短縮以上に、レビュー時のストレス軽減と集中しやすさを実感されています。


今回は、同社の法務部門で契約書レビューから重要案件まで幅広く担当するご担当者様に、導入の背景、実際の効果、リーガルテックの使い分けについて伺いました。

boostdraft_case_retailindustry1
社名
非公開
業種
小売業
従業員数
非公開

導入前の課題

  • 少人数で契約書レビュー・法務相談・コーポレート対応まで幅広く担っており、業務が重なる時期には余力がない状態だった
  • 条文参照や定義確認のたびに文書内をスクロールしたり、甲乙や定義語を手元にメモしながら読み進める必要があり、内容の判断に集中しきれなかった
  • 条番号のずれの修正や書式整形を手作業で行う必要があり、形式面の確認に工数と心理的負担がかかっていた

BoostDraft導入後の効果

  • 条文参照や定義確認がポップアップ表示でその場で行えるようになり、レビュー時の負担が減り集中力を維持しやすくなった
  • 条番号のずれ修正や書式整形などの形式作業を効率化でき、内容判断以外の作業にかかる工数とストレスが軽減された
  • ダブルチェック時に、未定義の語句や条文参照の不整合を把握しやすくなり、マネジメント層の確認負荷も下がった

 

事業成長で膨らむ契約件数。限られた人数で幅広い法務業務に対応

 

 

――まず、法務部門の体制と、担当されている業務の範囲について教えてください。


ご担当者様:当社は複数の事業で全国に店舗を展開している小売企業です。法務部門では、契約書レビュー、社内相談、社内規程の整備、コンプライアンス研修、コーポレート関連業務まで幅広く担っています。


法務部門は4名体制で、私はマネージャーとして、M&Aなどの重要案件や事業スキームに関わる案件を担当しています。契約書レビューについては、メンバーと役割を分担しながら対応しています。


――契約書の件数や種類についてはいかがですか。


ご担当者様:相手方から提示されるドラフトのレビューが月30〜40件程度、自社のひな形をもとにした契約書の確認や特記事項のチェックが40〜50件ほどあります。合計すると多い月では90件近くになりますが、月によって波があります。


当社は多店舗を展開している小売業ですので、NDA、賃貸借契約、業務委託契約、業務提携契約、各種商取引契約など、契約類型も多岐にわたります。事業の成長に伴って店舗や拠点に関わる契約も増えており、契約件数は年々増加傾向にあります。会社の成長スピードが上がるにつれ、契約件数も倍々ゲームのように増えている感覚があります。店舗の出店や更新に伴って、関連する複数の契約が増えていくためです。


業務量の割合としては、契約書レビューが全体の6〜7割を占めています。日常的には、稟議や押印に関する事務対応、現場からの相談、その他の法務相談なども発生します。そこに重要案件が突発的に入ったり、重要なコーポレート対応が重なったりすると、業務量は100%を優に超え、200%近くまで膨らむ感覚でした。


だからこそ、普段から効率的に業務を進め、一定の余力を残しておく必要があります。繁忙期に体制を崩さないためにも、常にバッファを確保することが課題でした。


――限られた人数で幅広い法務業務に対応するために、どのような工夫をされてきたのでしょうか。


ご担当者様:レビューそのもの以外の負担を減らす工夫は以前から進めてきました。


以前は店舗からの問い合わせも法務部門に集中していましたが、現在は現場をサポートする専門チームを設け、定型的な問い合わせをそちらで受けてもらうようにしています。また、営業担当が使える契約書のひな形を整備し、契約書対応の前段階から効率化を進めてきました。こうした工夫によって、限られた人数でも幅広い業務に対応できるようにしてきたのが実情です。


それでも、契約書レビューの中で発生する条文参照、条番号の修正、体裁調整といった形式的な作業は残っていました。やらなければならないことですが、ストレスを感じる作業ですし、少人数で業務を回すためにはこうした文書作業の負担も減らす必要があると感じていました。


――BoostDraftを導入する前、契約書レビューで特に負担に感じていたことは何でしたか。


ご担当者様:Word上での書式の整形作業や、条番号のずれの修正に負担を感じていました。


たとえば、契約交渉の過程で、相手方から当社のドラフトに条文の追加を提案されることがありました。提案された内容は合理的で、契約書全体の流れを考えても、その位置に入れるのが自然だと感じるものでした。ただ、条文が一つ追加されると、それ以降の条番号や、文中で引用している条文番号を修正しなければなりません。しかも、こうした修正はすべて手作業です。膨大な手間と時間がかかるだけでなく、見落としがないか注意を払いながら確認する必要があり、ストレスのかかる作業でした。提案内容自体には納得していても、「なぜこの作業を『人』がやらなければならないのか」と感じていました。


あとは、長い契約書で引用条文を確認するためのスクロール作業です。契約書の後半に「第6条の定めに従い」といった記載があると、該当箇所まで戻って確認し、また元の場所に戻る必要があります。こうした往復で集中力が途切れることもあり、負担に感じていました。

 


 

上長も一目で納得。「見せて伝える」稟議で、小さく始める

 

 

――そのような中、BoostDraftを知ったきっかけを教えてください。


ご担当者様:きっかけはDX関連のイベントでした。当時は契約書レビューツールも検討しており、日々の作業を軽くできる使いやすいツールが他にもないか探していました。イベントでBoostDraftのデモを見て、これまでWord上で感じていたストレスを解消できるツールだと直感的に感じました。


他のメンバーも別のイベントでBoostDraftを見ており、社内でも「良さそうだよね」と意見が一致しました。そこで、まずは試してみようという流れになりました。


――導入の決め手はどこにありましたか。


ご担当者様:特に決め手になったのは、契約書レビュー作業が今すぐに楽になると感じたことです。リソースに余裕がなく、作業負担を減らす方法を探していたため、将来的な効率化よりも、今まさに困っていることを解決できるかどうかを重視していました。


そのうえで、費用面、機能面、導入のしやすさのバランスが当社の状況に合っていたことも、決め手になりました。


――費用面、機能面、導入のしやすさについて、それぞれ具体的にどのような点を評価されたのでしょうか。


ご担当者様:小売業という事業の性質もあると思いますが、当社にはコストを慎重に見る意識があります。ツール導入においてもその感覚は変わらず、大きな金額を一気に投じるより、まずは必要な機能に絞ったものを試し、効果があるものを残していく方が合っています。必要な機能に絞られ、費用感も抑えられている点で、BoostDraftは当社に取り入れやすいツールでした。


機能面では、条文参照や条番号のずれの修正など、日々のレビューに直結する機能が中心に実装されている点を評価しました。操作もわかりやすく、ITリテラシーに関係なく直感的に使えます。「機能を使いこなす」ことに時間をかけるのではなく、必要な機能をすぐに使えるところも、現場に合っていました。


さらに、Wordアドインとして日常業務の中に自然に組み込める点も、使いやすさを感じた理由の一つです。わざわざ別のシステムにログインしなくても、日々使っているWord上でそのまま使える。新しいシステムを導入するような構えが不要で、社内のシステム部門を大きく巻き込まずに始められる点も、導入しやすさにつながりました。


――導入はどのように進められましたか。


ご担当者様:導入にあたっては、まず部門決裁の金額上限を超えず、役員決裁が不要な範囲で始められるよう進めました。
上長への説明では、単に稟議を申請するだけでなく、実際に動く画面を見てもらうことを意識しました。BoostDraftがなくても、これまで手作業で対応できていた作業ではあります。そのため、機能を説明するだけでは、現場が導入する価値は伝わりにくいと考えました。


そこで、実際の社内規程を使い、条番号の修正や表記の統一が数秒でできる様子を見てもらいました。従来の手作業と比べて、実務の負担がどれほど軽くなるのかを、その場で感じてもらうためです。あわせて、現場ではスクロールや体裁調整といった形式的な作業に時間を取られ、それが強いストレスになっていることも伝えました。


そのうえで、「現場が日々抱えているこの負担をこの費用感で軽減できるなら、まずは試す価値があります」と説明しました。
実際に動く画面を見て、「確かに今のやり方だと大変だよね」「BoostDraftがあったら楽になるね」と感じてもらえたことは、導入を進めるうえで後押しになりました。会社全体でDX化を進める機運があったことも、導入のタイミングとして合っていたと思います。


料理にたとえるなら、Wordは仕事に欠かせない、塩のような存在です。一方、BoostDraftはスパイスのようなものだと思っています。塩だけでも食べられますが、さっとスパイスを一振りすればより美味しく食べられる。BoostDraftも同じで、必要な時にすぐ使え、日々の契約書レビューの進めやすさを、確実に一段引き上げてくれる存在です。

 


 

形式作業の負担が減り、契約書の内容確認に向き合いやすく

 

――BoostDraftを導入して、契約書レビューの進め方はどのように変わりましたか。


ご担当者様:一番実感しているのは、契約書レビューに取り組むときの心理的な負担が軽くなったことです。


以前は、スクロールしたり、文章の体裁を整えたりする作業に時間を取られるだけでなく、精神的にも無視できないほどの負担となっていました。これらは契約内容を検討する本質的な仕事ではなく、単純作業を続けているような感覚でした。不毛な作業に集中力を削がれ、非常にストレスフルでした。BoostDraftを導入してからは、こうした形式的な作業をツールに任せられるようになり、契約書の内容に意識を向けやすくなりました。


――レビュー時の心理的な負担が軽くなったと感じる背景として、特に役立っている機能を教えてください。


ご担当者様:圧倒的に助かっているのは、条文の参照機能です。契約書の後半に「第6条の定めに従い」といった記載があっても、以前のように該当箇所までスクロールして確認し、元の位置に戻る必要がなく、BoostDraftなら引用先の条文をその場で確認できます。行き来によって思考を中断されることがなくなり、契約書を読み進めやすくなりました。

 
契約書レビューでは、条文そのものだけでなく、定義語や当事者関係、前後の条文とのつながりを行き来しながら確認する必要があります。以前は、契約書に出てくる当事者を「甲=自社、乙=相手方」のように都度手元にメモしながら確認していましたが、今はその場で参照できるので、メモを取ったり、別の箇所に戻ったりする手間がなくなりました。


今となっては、この機能がないと契約書のレビューはできないと感じます。BoostDraftがないころには戻れないですね。


他には、条文を追加したり削除した際の条番号の修正を自動で行ってくれる機能や、「及び」「および」といった表記ゆれ一括修正機能にも日頃から助けられています。条文参照、条番号のずれの修正、表記ゆれの一括修正。この3つだけでも導入する価値があると感じています。


また、今は自分でレビューするよりも、メンバーがレビューした契約書をチェックする場面が多いのですが、その際にもBoostDraftは役立っています。契約書を読むこと自体の負担が軽くなり、内容そのものの確認に集中できるようになりました。


――現在は契約書レビューはダブルチェックの役割がメインとのことですが、その観点ではいかがですか。


ご担当者様:ダブルチェックでは、メンバーが行った契約内容の判断に見落としや誤りがないかに加え、文書上の不整合が残っていないかも見ています。


最近は社内でGeminiを使うこともありますが、AIの出力を十分に確認しないまま契約書に反映してしまうと、条文番号がずれていたり、定義されていない語句が残っていたりする可能性があります。ダブルチェックする側は、契約内容だけでなく、文書としての整合性まで確認しなければなりません。


その点、BoostDraftを使えば、定義されていない語句は「未定義」と表示されますし、条文の参照先もその場ですぐに確認できます。AIを使って作成・修正した文章では、前後の文脈との不整合や定義語のずれ、表記ゆれなど不自然なことが多々あるのですが、こういった不備を効率よく洗い出せるので、チェックを支えるツールとして使いやすいと感じています。


形式面の確認にかかる負担を抑えられることで、ダブルチェック本来の役割である、契約内容やメンバーの判断の妥当性に意識を向けやすくなりました。

 


 

身軽さを大事にする、「ツールに使われない」選び方

 

 

――BoostDraftの導入を振り返って、少人数法務がツールを選ぶうえで大事だと感じることはありますか。


ご担当者様:特定のツールに過度に依存しないことは、常に意識しています。大きなプラットフォームにすべてを集約すると、運用や費用の面で身動きが取りづらくなる可能性があります。ツールを導入した結果、その運用自体に工数がかかるようになるのも本末転倒です。


BoostDraftは、文書業務の日常の困りごとにピンポイントに効き、導入のハードルも低い。業務インフラとして組織を縛るのではなく、組織の人数や課題に合わせて身軽に使える、というのは重要なポイントだと考えています。


リーガルテックを選ぶうえでは、「特定のツールにロックインされない」状態を保つことも大事だと思っています。特に昨今では生成AIをはじめとした技術の進歩が著しいため、このような状況では、一度導入すると抜け出せなくなるようなツールは、運用や費用の面で組織の自由度を下げてしまう可能性があります。その点、BoostDraftは「まずは1アカウントから試せる」という身軽さがある。だからこそ、少人数法務でも安心して試せるツールとして受け止めています。


また、当社では契約案件の受付や進行管理、稟議・締結までの流れを整えるツールも別に使っています。案件の受付から締結までの進行管理はそちらのツール、契約書そのものを読み・修正し・整える作業はBoostDraftの役割と、明確に分担しながら併用しています。すべてを一つのプラットフォームに寄せるのではなく、目の前の課題に一番効くツールを組み合わせる、という考え方が大事だと思います。


――過去にAIを使った契約書レビューサービスも比較されたとのことですが、どのように評価されましたか。


ご担当者様:数年前に契約書レビューのAIサービスを試していたことがありますが、結論としては、当時の私たちの業務は楽になりませんでした。


当時のAIサービスが出してくるレビュー結果の中に、自社の基準には合わない指摘や、検討する必要のない指摘が多く含まれていました。ベテランであれば即座に不要と判断できますが、経験の浅いメンバーがそのまま反映してしまうと、ダブルチェックする側の負荷がむしろ上がります。不要な指摘に対して「これは違う」と理由を付けて戻す必要があり、結果としてマネジメント層やベテランに確認の負荷が寄ってしまいました。


業務効率化のために導入したツールによって、マネジメント層やベテランの負荷が上がるのは本末転倒です。ツールに使われるのではなく、ツールを使いたい。自社にとっては、その違いが重要でした。当時の私たちの課題に対しては、汎用的な指摘を返してくれるツールよりも、形式面の作業を確実に支援してくれるBoostDraftのほうが、導入効果を実感しやすいという判断でした。


一方で、AIを活用したツールそのものを否定しているわけではありません。ツールも日々進歩していますし、私たちの法務組織も事業の成長に合わせて変わっていきます。状況が変われば、AIを活用したサービスを検討する余地はあると思っています。あくまで現時点では、契約書レビューの判断そのものを任せるよりも、形式面の作業を確実に支援してくれるツールのほうが、自社の課題に合っているということです。


――そうした経験も踏まえて、契約書レビューにおける人とツールの役割分担をどのように考えていますか。


ご担当者様:契約書レビューで人が担うべきなのは、考えることと判断することだと思っています。契約内容が自社のビジネスに合っているのか、どこまでリスクを受け入れられるのか、相手方との関係や現場での運用を踏まえてどう判断するのか。こうした部分は、法律の知識だけでなく、事業への理解があって初めて判断できる領域です。


一方で、その判断に入る前の状態を整える作業は、ツールに任せられる部分だと考えています。文書を読みやすく整える、参照先をすぐ確認できるようにする、不整合を見つける、確認すべき箇所を把握しやすくする。こうした作業に時間や集中力を使いすぎると、本来向き合うべき判断に入りづらくなってしまいます。


その点、BoostDraftは、契約書レビューの前提を整えてくれるツールだと感じています。判断そのものを代替するのではなく、人が考え、判断するために必要な文書の見やすさや確認のしやすさを支えてくれる。だからこそ、私たちのように少人数で多くの契約書を見ている組織にとって、日々の業務に合っているのだと思います。


――最後に、同じような環境で法務業務に取り組んでいる方へ、メッセージをお願いします。


ご担当者様:BoostDraftは、自分で判断できる人たちが少人数で法務を回している組織に合うと思います。相談が次々に入り、契約書レビューも並行して進めなければならない。条文を参照している間に別の相談が入り、戻ってきたときには何を見ていたのか分からなくなる。そういう環境の方にこそ使ってほしいです。


少人数体制で多くのレビューをこなし、毎日チェックに追われ、さらに形式も整えなければならない。そうした方にとって、条文参照や条番号修正、体裁調整をツールに任せられることは、単なる作業効率化にとどまりません。契約内容を判断したり、相談案件に対応したりといった、本来取り組むべき業務に向き合う時間を取り戻すきっかけになると思います。


BoostDraftは、少人数法務の仕事を大きく変える巨大な基幹システムではありません。むしろ、日々の文書作業に入り込み、考える時間と判断する余力を少しずつ取り戻すためのツールです。相談案件が次々に入る環境で、戦略的な法務業務に時間を割けない組織にとって、日々の業務を支え、法務担当者が担う役割を広げていくための選択肢になると感じています。


そして、BoostDraftの特徴的な点は、必要最小限の範囲から始められることです。まずは1アカウントだけ試してみて、実際に必要性を感じたらアカウントを増やしていけばよい。この始めやすさも、リソースに余裕のない組織にとっては大きなポイントだと思います。


大規模な仕組みで業務全体を変えるというより、日々の契約書レビューの中にある小さな無数の負担を減らし、法務担当者が本来向き合うべき判断に集中できる状態をつくる。そこに、BoostDraftの価値があると感じています。

BoostDraftで契約書作成を簡単に

BoostDraftの特徴や各種機能、料金プランについてわかりやすくご紹介しています